2009/05/19

グラン・トリノ

5月のある日、
からーんとした8人ぐらいの映画館で
グラントリノを見に行って来ました。



アメリカの田舎町
朝鮮戦争の帰還兵で フォードの自動車工場で働いていた
偏屈なおじい・・・それがイーストウッド。
新しくて軽いものを嫌い
人の話を聞かないし耳も傾けない。
差別的な言葉をものすごく吐くし
教会にも行かないタイプ。

そんな彼の隣に引っ越してきた
ベトナム戦争で国を出ることを余儀なくされた
ベトナムの少数民族、フン族の一家。
最初は イエローとか コメ食いとか すごい差別的な言葉を
思いっきり吐いて 接触を絶っていたけれど
イーストウッドの宝物
フォード の 美しい車 グラントリノを
隣のフン族の弱い少年が不良にそそのかされて
盗もうとしたところから
イーストウッドと少年の友情が始まり・・・


この作品はものすごく深くて

朝鮮戦争で人を殺めたこと、
特に少年を撃った事を心の奥でずっと反省しているおじいさんの
隣にアジア系の同じような少年が現れたり

フォードの工場で働いてアメ車に誇りを持って
70年代のフォード車 グラントリノを大切にしているおじいさんの
息子はトヨタのディーラーでランクルであわられたり

そんな息子の家族たちとうまくいってないおじいさんが
いつも嫌っていたアジア系の家族と仲よくなることで
身内よりも安らぎを得たり

教会を嫌っていたおじいさんが
最後は神父さんと友情をもてるようになったり

グラントリノに古き良きアメリカを象徴させているんだと
そして 
この自動車不況と考え合わせて
見た後に何重にも重ねて考えさせられる
本当の意味でよい映画でした

ネタバレにはならないためにこの先は言えないけど
よく生きるとは
自分の人生の幕の引き方とは
私も考えたいと思いました
これは イーストウッドの遺言のような作品だと思いました。

イーストウッド監督主演の映画だし
アメリカでもヒットしてるというのに
アカデミー賞には全くかすらなかったのが不思議。
イーストウッドの田舎のいやなじいさんの演技がすごい秀逸。

おすすめです
機会があれば必ずみてください

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