2010/05/07

第九地区とインビクタス

すべりこみで、プレシャスとどっちがいいかと思いながらも
あるところでは話題の
SF映画
第九地区へ行ってきました。

この映画
一見グロくみえるかと思うけど、
大間違い。
低予算で作られたのに、アメリカでスマッシュヒットになったという
超興味深い、考えさせられる映画なのです。

(日本語版より英語版のほうがわかりやすいのでこっちを貼った)

南アフリカのヨハネスブルグの上空に
未知との遭遇みたいな
で~~~っつかいUFOが飛来し
浮かんだままぴたりと動かなくなったのが
28年前。
その時、中身はどうなっているかと潜入したところ、
中にはエビ型のエイリアンが
栄養失調で!たくさん!衰弱して生きていた。
そのエイリアンを南アフリカ政府は難民として
ヨハネスブルグ近郊の第九地区へ隔離。
この話は
それから28年後、スラム化し暴徒化したエイリアンを
ヨハネスブルグからもっと離れた
第十地区へ排除しようとしたときの話。

南アフリカというのでわかるように
このエイリアンはアパルトヘイトの隠喩。
居住区から出さないようにしたり、
看板でも
エイリアン× 人間○
のような看板があったりと
わかりやすい差別。

この話は、普通のなんでもない小役人だった男が
あることでエイリアンに変容してしまうことになったおかげで
エイリアンの気持ちがわかり
人間と対立することになってしまうストーリー。

エイリアンの姿、形は
もう、気持ち悪くて
エビを超合金で作ったみたいなかんじで
黒いゲロをはいたり
暴力的だったりするんだけど
だんだん見ていると
子供のエイリアンをかわいく思える私、になってしまう展開に。
ほんと
話がうまい。

有名な役者は誰一人出てこないけど
ドキュメンタリー調で
ドキドキさせたまま、
途中時計を一度も見ることとなく
最後まで突っ走る!そんな映画。

だけど、
終わってからも色々と考えさせられてしまう。
つまり、
差別をする心とはどういうことなのか。
自分が差別される立場にならないと本当のところは
理解することはできないのかということ。

実は
私、少し前に
同じ南アフリカと差別について扱った映画
インビクタス、も
見に行っていたのです。

こちらは
イーストウッド監督
マット・デイモンとモーガン・フリーマン主役
という
第九地区とは正反対の映画。

対立していた
黒人から選出された
マンデラ大統領(モーガン)が
白人と黒人がうまくやっていくために
白人の娯楽、ナショナルチームのラグビーチームを
ワールドカップで優勝させることで
国を一つにしたという
ホントの話。
(キャプテンがマット・デイモンね)


インビクタスは反対に
対立する勢力を
融合させることで差別をあぶりだし
人間の力と可能性を見せ付ける映画だったと言えるかもしれない。

この2つの映画は
南アフリカと
差別(安易な言い方だけど他に見当たらない)を
フィクションとノンフィクション
対立と融合
いやらしさと可能性
全然通じ合えないのと理解
無名監督俳優と豪華ハリウッド

全く正反対の方法で描きながらも
同じことを伝えようと真面目に作った作品と言えるのではないかと
思うのです。

なので
どっちも
見てみて!!!
特に第九地区がおすすめだけど!

2 件のコメント:

  1. 「第9地区」僕も観ました。見事なエンターテイメントでしたね。「インビクタス」はまだ観ていないので、ビデオ化を待ちます。

    どちらも、「遠い夜明け」のように、声高に差別を叫んでいないので、かえってリアルにあぶり出せれるのかもしれませんね。

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  2. *minoruさま
    遅レス 申し訳ありません
    その間に 南アフリカでは
    ワールドカップが始まりましたね。

    映画を鑑賞から、南アフリカの市井の人たちの様子を見ると色々と考えさせられます。

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