2012/02/01

サラの鍵 見てもっと泣いた。

ヒミズを見てからの~5分の休憩を挟んで 
サラの鍵も見てきました。 

その5分前までヒミズを見ていて 
ハンカチでそっと涙を拭く、、、というような具合だったので 
かなり涙腺が緩くなってしまっていました。 
だから、これを単独で見たら泣いたかもしれないけど 
うるるぐらいだったと思うんです。 
今回は連鎖反応的に泣いてしまったところが多いので、 
他の人にも 
この映画で泣いた! 
に当てはまるかは謎。 

2本目 
サラの鍵 





こういう分け方は失礼とは思うけど 
第二次世界大戦のドイツのあたりを描いた作品では 
ナチスものと 
強制収容ものがありますよね。 
ドイツ人目線で描かれた物と 
ユダヤ人目線で描かれたもの。 

最近はナチス物はかなり減って来て 
描かれたとしてもちょっとユーモラスなナチスのバカさを肥大化させた 
イングロリアスバスターズとかワルキューレとかが主流になってきたような。 
それと反して、ユダヤ人のサバイバー達を描いた作品は良作が多いですよね。 
ライフイズビューティフルとかカティンの森とか 
戦場のピアニストとか。 
迫害をするバカよりも受ける悲しみや辛さを知った人を描く方が 
物語に深みを与えるということか。韓国映画もしかり、悲しい歴史が下地にあるほうが説得力があり見る方にも考えさせる力があるという事なのでしょう。 

この映画も例に漏れず 
ユダヤ人一家の10才の娘、サラの物語を軸に展開されます。 
パリに住んでいたサラの一家、両親と自分と弟。 
1942年、ナチス占領下のパリのある日、急に一家がどこかへと連行されます。 
これが後世までフランス政府が隠し続けた 
ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件、であったのです。 
私も全く知らなかったのですが、フランス政府によって 
フランスのユダヤ人13000人がヴェロドロームという 
自転車競技場に連れて行かれ、ひどい状態で監禁され、 
そこから次々と強制収容所に送られたという憎むべき事件でした。 
その連行される時に10才のサラは小さな弟を納戸に鍵をかけて隠します。 
もちろん、彼女はすぐに帰れると思っていたからで 
その願いは中々かなわず、収容所から運良く逃げて、 
その近く村の優しいフランス人のおじいさんとおばあさんに助けられ 
その2人のおかげでパリの我が家に帰って納戸を開けてみた所、 
そこには変わり果てた弟がいたのでした。 

私はこの映画のクライマックスはそこにあると思っていたので 
中盤に鍵が開けられて悲しい結果を知った時に少しびっくりしました。 

この元サラの家、アパートメントの一室は、 
ちいさな彼女が弟を見つけるためにたどり着いた時、 
検挙後、多分フランス政府によってええようにされて 
普通のフランス人が買って別の一家が暮らしていたのでした。 
そして歴史は巡って、その家を所有していた孫の嫁となっているのが 
ジャーナリストでアメリカ人のジュリアです。 
彼女は雑誌にヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件について 
取材し記事をかくようになっていたのですが、 
そんな中、彼女一家がその古いアパートメントを改造して 
自分たちで暮らそうということになり 
その家の歴史にふと思い当たります。 
もしかして、このアパートは、ユダヤ人から搾取したものではないのかと? 
そして、その後そのユダヤ人一家はどうなったのかと? 

この映画は強制連行のつらい物語だけになっておらず 
その後を生きる今の私たちの生き方について考えさせられる映画でした。 
周りの人達もかなりすすり泣いていましたが、 
私もかなり泣きました。 
辛い過去を乗り越えて、残された人は何をするべきか。 
忘れる事が最も忌むべき事であることは間違いありません。 

評価 
 DVD化されたらみてね 
   
  >すばらしい→映画館で見てください! 
  >普通よりもいい→DVD化されたらみてね 
  >普通→機会があったらみてください 
  >それ以下→微妙~~~ 

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