ベルトリッチの最新作、孤独な天使たちをみてきました。
5月27日のこと。
もう、ベルトリッチ監督は70歳なんだそうです。
私にとって、ベルトリッチと言えば、「ラストエンペラー」です。なぜなら、そういうデート的な映画鑑賞をしたのの最初がラストエンペラーだったから。高校生の頃のこと。私は坂本龍一のファンだったし、あの世界観も大好きでうっとりしていたけど、理系の男子だった彼は、よくわからんかった。って言われてがっかりして思ったようなデートではなかったけど、私には甘酸っぱい想い出です。その男の子のことは思い出すことはないけど今でもラストエンペラーは大好きで、ケーブルテレビでやってると途中からでも何度も見返します。ジョン•ローンも大好きだったのに最近は見ませんね。元気でやってるのかしら?
さて、そのベルトリッチ。今は車椅子の生活になっているそうです。一時は監督をあきらめて引退したらしいけれど、新しい座った者の視点というものを手に入れた彼はまた映画を作ろうと思い、この映画を作りました。10年振りの映画です。
そういうと老成したつまらない映画になりそうなものですが、とても若々しい、ベルトリッチと知らなければ若手の監督が作ったかのような映画になっています。
14歳の孤独な少年、ロレンツォ、彼は学校でも友達とたわいない会話をする事ができず、家でも再婚してしまった母親としっくりといかない生活をしています。そんな彼が学校で1週間のスキー研修へいくことに。しかし、彼はスキーには行きたくなくて家にもいたくないのです。母親にはスキーに行くと嘘をついてスキーの用意をして学校の近くまで送ってもらい、そのまま自分の住んでいるアパルトマンの地下にある倉庫に1週間住む事にします。よく、アパルトマンの契約者がストックルームのように自分用の倉庫を地下に借りてるのってあるでしょ?あそこです。
スキー研修の費用で1週間分の食事を買って、好きな音楽をヘッドフォンで聞いて、自由に楽しく過ごすロレンツォ。そこに、再婚した父の娘、義理の姉が転がり込んできます。彼女は前衛芸術家でクスリ中毒。彼女もこの1週間を倉庫で暮らしてクスリを抜いて新しい生活へと生まれ変わりたいと思っているのです。
元々仲のよくない義理の姉弟。いがみあったり、姉がクスリを抜こうとしてあばれたり、アートを買ってくれると言ううさん臭いおっさんを連れ込んだり、、、
でも、少しづつお互いを理解し合うようになり。。。
微妙な関係の大人になりきってない二人の痛々しいコミュニケーション。その場に居づらいけど他に行く場所もない。そんな、若いからこその痛さ。
ああいう感じって若い頃に忘れてたような感情なのに、ベルトリッチはみずみずしく描いていてほんと、感心します。
ロレンツォが男子の一番汚い頃の、少年でも大人でもない、ニキビ面のはみ出したいけどはみ出せない頃のあの男子でその人選も上手いし、義姉の危なっかしい、すれっからしだけど知的さもある大人になりかけの雰囲気もいい。
良い映画です。
予告編にも流れる、デビッド•ボウイの主題歌がとってもあっててその場面、胸が熱くなります。
評価は、
ぜひ、DVD化されたらベルトリッチの映画の好きな人は見てください
>すばらしい→映画館で見てください!
>普通よりもいい→DVD化されたらみてね
>普通→機会があったらみてください
>それ以下→微妙~~~
イタリア版予告編。
色っぽいけど、ここまで色っぽくないよ
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